満足度★★★★
画期的な「『楽屋』フェス」から早2年。今回は6グループだが、注目は企画者でもあるZOROMEHA、また単独ステージの回があるstars、ぐるっぽちょいす(他の4つは2団体1公演の枠に収まる)と読める。
今回は公演スケジュールや参加団体の概要がなかなかつかめず、ZOROとぐるっぽは辛うじて探れたが、少々もどかしかった。そのせいというのではないが、観たのは一団体、青柳敦子主宰「ぐるっぽ」のみ。ここには2年前燐光群グループで女2をやった松岡女史も今回は女3(唯一現世にとどまるベテラン女優)で参加。青柳女史は演出、(ちょいす=choiceの意か?)選抜されたメンバーはバランスの取れた良い座組で、演技もさりながら「演出」も利いて思わず納得な場面処理が多々あった。
一昨年の楽屋フェス以後にも「楽屋」を3本ばかり観たが、一番泣けた。もっともお涙路線をチョイスして到達できる場所ではないのは確か。飄々と存在する幽霊二人が、その立場なりの真剣さと諦観の両面を持ち合わせている事、即ち生者をみる眼差しが「他人事」でありながらもある濃度で関心事でもある距離感、冷淡さと温情が彼ら自身の「あり方」から必然に導き出されているように見える事、そして二人の関心と目を釘付けにする、生者の側のドラマも・・。
さてこの回はぐるっぽ単独回で、テーマ音楽を提供した佐野篤のミニライブが芝居の前にあり、思いの外良い。3曲目を終えて「楽屋」上演へと移行するブリッジも誠に良い。余談、セットは2年前と同じもの。樋尾麻衣子の前説を初めて見、新鮮であった。
幸福な時間を有難うな休日であった。