森に棲む魚とハルニレのウタ 公演情報 salty rock「森に棲む魚とハルニレのウタ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/06/02 (土)

    2日ソワレを拝見。

    ネタバレBOX

    ここ2、3年の傾向だが、演出を信頼できる他の方に委ねて、脚本に専心することで、犬井ねここさんの長編の作風、その精神の高踏性は保ちつつも、語り口が随分と下界に降りてきたなぁと、改めて実感させてもらった110分だった。

    随所で感じ取れた、過去作品の役柄やら描写やら(キロク&キオク、『水棲のアリア s.v.』)のフレグランスも、既視感ではなく、作品の積み重ねがもたらす(まだ若い彼女には時期尚早な言い回しだが)「円熟味」の表出として受け止めることが出来た。

    ただ、反面、私のように何年も犬井作品を観続けて来た者とは違い、今回が初めての観客には、あるいは、序盤での咀嚼のしづらさを意識させられたかもしれない。
    CoRich記載の「説明」より、さらに一歩、噛み砕いた、ただし決して長くはない「あらすじ」を、当パンに掲載しておいてもよかったかもしれない。
    それと、(私だけかもしれないが)客観的には「面倒な性格」(☜おいおい!)の登場人物たちのやり取りで、途中、話の運びにやや渋滞感を覚えたことも付記しておく。

    あと、個人的な事情だが、自身や家族・知人の過去の入退院や逝去の経験が、美純'sの3人や残された楡木家の人々の言動や心の動きにオーバーラップしてしまい、観劇中、外向けの表情を保つのに、かなり難儀した。特に、長瀬巧さん・植松りかさん演ずる両親の姿には、設定年齢が自分に近いであろうこともあって、我が身に生じた苦悩のようにリアルに堪えた。

    最後に、キャストに関して触れておく。

    【楡木家の人々】
    父・タカトシ…長瀬巧さん(父親の苦悩を背中で表現されておられた)
    母・智恵子
    …植松りかさん(『灯影ノート 』でのイメージが強過ぎて…こんなにお若い方だったとは!)
    長女・美純(ミスミ)1(亡くなった小学6年生当時の姿)
    …杏奈さん(やはり、このヒトは天才か?!)
    長女・美純2(もし生きて中学生になっていたら…の姿)
    …まついゆかさん(様々な公演で場数を踏んでおられるので、今回も安心して観ていられた)
    長女・美純3(もし生きてオトナになっていたら…の姿)
    …安藤陽佳さん(お名前はかねてより存じ上げていたが、漸くお目にかかれた!)
    ※美純'sの3人のバランスの良さ、本作品における白眉だと思う。

    次女・亜純(アスミ)
    …木村優希さん(小柄な彼女の何処に、あんなエネルギーが隠されているんだろう?)

    【医師】
    当麻リュウジ(元外科医で今は内科医。楡木夫妻とは幼馴染)
    …神野剛志さん(シリアスとトリックスターとの塩梅が良い)
    芳野ヨウコ…伊織夏生さん(ひと言、「スリムビューティー」じゃん♪)

    八重樫ユキオ…シマザキタツヒコさん(『TranscendentExpress』以来、かなぁ?)

    キロク…華奈さん(彼女の声質が作品の進行に良いリズム感を与えていたと思う)
    キオク…目次里美さん(多分、お初の方?)
    賽の河原の鬼
    …あずき菜月さん(上野で数年前「夢の国の住人」だったヒトが、よもや、高田馬場で「バッファローマン」に転身していようとは!www)

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    2018/06/03 04:19

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