鑑賞日2018/05/06 (日)
速度が少しずつ遅くなる。冒頭、役者6人が素早く舞台に登場するシーンにはじまり、スピード感とともにつくられていくリズムはすこしずつテンポを
下げ、お茶を飲む喪の場面で遅さは頂点に達する。その落差はバイクの速度と亀の速度との差異ともパラレルだ。6人兄弟(妹)はひとつの悲劇に結び付けられているようでいて、その実、多層化された複雑な痛みを共有している。普遍的な痛みを主題にしながら、主題を鑑賞者に単純化させない工夫が為されている。
翻訳語の違和感が気になったかもしれない。否定的な感想ではなく、そこから考えることがあるという意味で「気になった」。