ラーメン 公演情報 宇宙論☆講座「ラーメン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    「ラーメン」という料理を軸にして現代社会を批評したような寓意ある公演。一見混沌とした世界観を思わせる、その物語は面白いが観せ方に難があるような。
    非現実でキャラクターも曖昧だが、そこから悪意に満ちたリアリズムのようなものが観えてくる。リアリズムとファンタジーが混在しているような感覚になる。
    (上演時間2時間10分) 

    ネタバレBOX

    セットは客席に対し上手側にラーメン店のカウンター、下手側に楽器ハープ、舞台技術機器が置かれている。舞台左右の壁には役者が座るBOX椅子が並んでいる。全体的に雑然とした雰囲気が漂う。

    物語は、中華料理店に入ったサラリーマン2人の注文時から始まる。舞台設定は「覚せい剤一色村」という場所、完全に怪しい名前が連記された村名であるが、この名前は作曲・演出・台本の五十部裕明氏の小学校遠足時の体験が元になっているという。
    この村にある秘密、隠蔽された何かを感じ始めた子供達の冒険譚。村から東京へラーメン修行をするために上京する。場面転換毎にラーメンを成している要素_例えば麺、スープ等のパートを描き紡いで行く。表層的には面白く観せているが、場面の繋がりが凝っており分かり難いかもしれない。
    さて、村で隠されていたのは、覚せい剤を作り東京貯水池に混入していたこと。音楽に合わせて ♪美味しいラーメンの最高の調味料は水に混入した覚せい剤♪ だと言う。音楽劇として肉声で聴かせるのは、場を盛り上げるというもの。

    身近な食べ物になった「ラーメン」の生成過程、それを料理する人間の修業時いや成長過程迄を突き詰める。個人的な出来事から覚せい剤を水道水に混入するという社会性へ物語が増幅していく。そのシュールな展開、ブラツクユーモアが面白い。

    少し残念なのが、16名の登場人物の関係性が分かり難いこと、誰がどの役名なのか、1人ひとりの人物像を描いておらず、物語の勢いで牽引しているようだ。
    もう1つ、ラーメンという「食」を扱った物語であるが、それ以外のスナック菓子や生卵の扱いが雑であり汚い面もあった。
    物語は冒頭のサラリーマン2人による会話…ラーメンを巡る思い、その劇中劇としての構成は面白く観応えもあるだけに勿体無かった。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/04/30 12:08

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