満足度★★★★★
オッドラボ「✔-check-」
チラシの段階では交渉中だった出演者は、凡タムたにがわさきちゃんと、オッドテーラーズ槌谷くんでした。
無事に出演可能になって、ほんとに嬉しい。
かくして4人芝居となり、タイトルも変わったこの作品。
証言する女性が椅子に座っている、その左右に検察官と弁護士、殺人事件の裁判。
被害者は女性の友人、舞台の公演中に起こった事件。
自殺だったのか、殺されたのか、殺されたとするならばその手段は…。
若手4人、甘さのない凄みのあるやり取りにヒリヒリしました。
最終的な肝はやはり被疑者である脚本家と女優の関係性。
彼が何故彼女を殺すに至ったのか、どうやって殺したのか、彼女はどうして殺されたのか。
語るラストの脚本家、槌谷くんの独白シーン。圧巻の演技でした。
この4人でこの作品が観られて、心からよかった。
オパンポン創造社「交響曲第九番~天国と地獄~」
一人芝居であるこの作品、一回目と二回目で役者が違う。
一回目はテノヒラサイズ川添さんで、二回目は野村さん、わたしが観たのは初演と同じ野村さんバージョンでした。
これは野村さんの持ち味が存分に引き出される、野村さんによる野村さんの為の作品かなという気がして。
川添さんが演られた一回目は随分と感じが違ったのではなかろうかと思うと…あぁ一回目も観たかったなぁを思います。
死後の世界、天国へ行くか地獄へ行くか、死者の待合室。
パイプ椅子がずらりと横一列にずらりと並び、順番を待っている人が何人も。
一人芝居なので実際には見えてないのだけれども、見えない相手に次々と絡んでゆくことで、そこにどんな人物がいるかを浮き上がらせる。
そのうちの一人は野村さん演じる男性の父親で、父親と絡むことにより、男性がどんな人生を歩んで、どのように亡くなったのかも浮き上がらせる。
わずか30分間に、人間の悲喜こもごもを濃く詰め込める匠の技。
全く見えない相手と、あれだけテンション高くやり取りできるのはさすがの野村さん節。
見えない相手であれだけ演れるっていうのは、逆にいうと相手を選ばない演技ともいえるのかもしれない。
東京公演への前哨戦であるこの火ゲキ参戦、東京でも多くの人に観ていただけたらと願います。