見よ、飛行機の高く飛べるを 公演情報 ことのはbox「見よ、飛行機の高く飛べるを」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    祝 「グリーンフェスタ2018 BOX in BOX THEATER賞」受賞。
    チラシの「明治時代を生きる”新しい女性の生き方”を模索した少女達の青春群像劇」の謳い文句通り、今の時代には考えられないような事ばかり。しかし100年後は、今の時代とは違った女性像が…そんな事を考えれば、”今をどう生きるか”という足元を見つめた秀作。
    (上演時間2時間20分) 

    ネタバレBOX

    舞台セットは、中央には別棟との扉・通路、その横は2階への半折返し階段、上手・下手にはそれぞれ部屋がある。特に下手は談話室になっており、芝居の中心になる場所である。上手側は給湯(調理)室に繋がる出入り口。また衣装や髪型は、当時を思わせる雰囲気を作り出していた。女性教師は着物、女子生徒は袴などを着ていた。
    なお、初演も別の劇場で観ているが、この公演と劇場-シアターグリーンBOX in BOXの構造・空間はピタリを合っており、利用する劇場の重要性を思わせる。観応え十分であり劇場冠_BOX in BOX THEATER賞の受賞は肯ける。

    梗概…1911(明治11)年10月。名古屋の第二女子師範学校の女子生徒は教師を目指し勉学等に励んでいた。そして一部の進歩的(良妻賢母教育に懐疑的)な生徒が、有志による回覧雑誌「バード・ウィメン」の発刊を企画するなど、談話室に思春期ならではの話題に花が咲くようだ。そんな折、女子寄宿舎の下働きの息子が寄宿舎に忍び込み、談話室に居た女子学生に社会情勢を話す。そして退散間際に1人の女子生徒に...、後日、その女子生徒が男と2人きりで会っていた。それが理由で放校されることになり、女子生徒たちが抗議行動を計画する。しかし、教師たちの切り崩しにあい、次々と脱落して...。

    女子生徒の思索または憂いのある表情、また明るく快活な姿...そこにはその時代に生きた少女が確かに存在していた。また、男性教師、女性教師の目線や立場がしっかり描かれ、感情移入ができた。公演全体としては、クオリティが高く、観応えがあった。
    テーマについて、現在では男女が単独で会っているだけでは処分(退学)にされないと思うが、物語から100年以上経ているが、男女差別は依然として存在しているだろう。また文学…自然主義文学の「蒲団」(田山花袋作)は隠れて読む時代である。
    少し逸れるかもしれないが、公演では(明治)女性の視点で捉えた見方であるが、実は人間としての平等を考えることではないか。男女平等に関する課題は、女性側の視点だけで考えればよいというものではない。性別によって「男だから…、女だから…こうしなければならない」という、潜在的な行動・役割パターンがあると思う。むしろ性による決め付けは、逆に生(息)き苦しさを感じさせると思う。公演を観て、改めて人としての平等とは何かを考えた。

    舞台技術は、時間経過(夕日)や感情変化を表現するために諧調照明、音楽・音響は飛行音や不気味な効果音により物語を一層印象深く観せており、観客の感情を揺さぶり見事な演出であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/04/13 20:16

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