星の王子さま 公演情報 もぴプロジェクト「星の王子さま」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    子供のための物語か大人のための物語か、その視点を意識した公演。
    小説「星の王子さま」は1人称で書かれた物語、「僕」という語り手は物語の中である役割を担い、作中人物としての語り手となっている。聞き手の読者への問いかけのようであるが、本公演でも観客へ問い掛けている。もちろん読者=観客は幅広い(年代)層を想定しており、人それぞれの感性の受け止め方が異なるのは当たり前であろう。
    自分はファンタジーの中にもしっかりとメッセージを伝えており、芝居の雰囲気も好かったと思っている。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    セットは、ファンタジー風な観せ方にするため、ブルー、ホワイトの蛍光塗料を点描したようなストーン型オブジェを置き、客席内にも台座の別空間を作り同じような蛍光塗料が塗られている。場内全体の雰囲気は宇宙空間といった感じで、所々に小惑星をイメージさせる球体が吊るされている。

    物語は小説(章立)と少し異なった順で展開していく。大筋は順々に時が経過し、語り手であり”星の王子さま”は自分の経験を語りながら王子としてのエピソードを語る構成にしている。先に記したように語り手であり劇中人物であることから、長台詞は説明風であり朗読劇のように感じた。

    「物事を考え続けること」「本当に大切なことは心で見ること」という台詞は、子供・大人という枠を超えたところにあるのでは…。その意味では原作が意図しているであろう、物事の本質を問いただす質問を投げ掛けて、そこに潜む事柄の重要性_表面に捉われてはいけないという隠喩は、場面を細切れにしつつも上手く紡いでいたように思う。

    雰囲気作りとしての衣装に注目。芝居の役柄へ変化させる重要なアイテムの1つが”衣装”。衣装は情景や背景・雰囲気を如実に映し出す効果がある。例えば薔薇(バラ)の花のシーンでは紅い衣装、また男優陣は白っぽい浮遊感ある衣装、逆に女優陣は黒っぽい硬質イメージの衣装という対照的なもの。メイクも独特で現実から遠ざける工夫をしている。その全体がファンタジーで「星の王子さま」といったことを表していた。

    なお後部席壁際(両端近く)では、壁に描く絵のシーンが見切れになる。その舞台配置か、観せ方に工夫が必要だと思われる。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/04/08 17:42

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