満足度★★
鑑賞日2018/03/04 (日) 17:00
数学に関する芝居だと聞いて観に行った。数学の「ギフト」が自分にはあるはずと信じる男と、絵を描く女とそのフリーター兄との出会いから、数学と芸術に関して語り合う会話劇。やたら饒舌な兄妹と、やや寡黙な男との対比は面白い。作・演出の稲田はいくつかの舞台に出ているようだが、数学との関わりは分からなかった。「数学者は変わり者」という偏見があったり、男が読んでる本が「複素数」だったり、サヴァン症候群との違いに拘ったり、稲田の数学への造詣の程度が分からないのだが、意図的に話題を絞っているとすれば演劇的には正解だが、見ていて何かが得られる芝居という感触ではなかった。もっとも、稲田はコメディとして書いたと当パンに書かれているので、その意図は買うが、成功しているとは言い難いのが惜しい。