満足度★★★★
無音の中の王は、麿赤兒
音楽が鳴らないシーンが多く、そのヒリヒリとするような無音の中で、観客の強い視線を全身に浴び、ゆっくりと踊る麿赤兒さんは、王だった。
一緒に踊る踊り手たちは、あくまでも王を中心に据え、自らがあたかも舞台装置の一部のように踊っていた。
観客の強い視線を全身に浴び、緊迫感の高まる中で、ゆっくりゆっくり踊るというのは、キツイのだろうか、気持ちいいのだろうか、そんなことを観ながら思った。
以前、少したぶついているなと感じた麿赤兒さんの身体は、シャープに研ぎ澄まされており、力強さだったり、年齢だったり、柔らかさだったりを感じさせてくれた。
舞台装置も一緒に踊る人たちの踊りも、意外とシンプルだが、強い印象が残った。