卒業式、実行 公演情報 Aga-risk Entertainment「卒業式、実行」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    美術の先生が、たいへん面白いキャラクターでした。最後に来て、ややまとまりがなくなって来たような感じもします。

    ネタバレBOX

    『卒業式、実行』を,新宿サンモールスタジオで観た。

    テーマは,国家とか,国旗とかなので設定からして工夫がいる。なぜかというと,治安維持法のあった戦時中でなく自由な戦後の,平和な日本とはいえ取り上げ方に多くの問題が起こってしまう。演劇のテーマが,あまりに政治色が強くなると,どこぞの政治団体の集会に参加しているかの錯覚が起こって,演劇そのものが楽しくなくなる。

    といったことからであろうが,おそらく教職員組合を,生徒会に置き換え,さらに,本来なら,教育委員会によって,あまりに酷い結末があったかのようなシーンをどうしても回避したい。そのために,結論としては,一貫して反国家,反国旗,反君が代,となったであろう流れを,終盤でグダグダにして作品そのものを良くわからないものにした。

    といったような,カモフラージュはあったので,十分には楽しめなかったが,演劇としてはハイレベルだった。口角泡を飛ばし,つばぜり合いをする。そのような議論また議論,さらに白熱する駆け引きは見事だった。中におもしろおかしく挿入されるコントとか,まぬけな教員たちの口からの出まかせ,などたいへん興味深かった。

    『卒業式、実行』は,スゴイ」作品だ。幼馴染みで,秀才で高校教員になった人がいた。彼は,この作品のような世界で就職したばかりから闘争を繰り返して,人生がめちゃめちゃになっていった。彼に,この演劇がどう理解されるか心配である。もしかしたら,あまりに重い問題なので,彼は酷評するかもしれない。しかし,私はこんな演劇も好きだ。

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    2018/02/24 20:35

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