瀬戸の花嫁 公演情報 ものづくり計画「瀬戸の花嫁」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    瀬戸内海にある小さな島、その島の高齢化、人口減少さらには経済活性化という問題が散りばめられた公演…まさに現代日本が抱える問題そのもの。
    前回公演が好評であったことから、3年越しの再演というが実に面白い。物語は島という限られた所、時間は順々に経過し分かり易い展開で気軽に楽しめる。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台セットは瀬戸内海に浮かぶ小島…戸美島の公民館ホールといったイメージ。その室内、正面に窓ガラス、壁には島民の集合写真や表彰状が飾られている。下手客席寄に階段を設え別スペースを作り出す。

    梗概…高齢化、少子化さらに島の若者は島を離れ都会へ。その状況を何とかしようと結婚相談(所)会社を通じて集団見合いを企画する。島の男たちの願いが叶い、都会暮らしの女性5人が応募して来た。その紹介映像を観て、さらに期待膨らむ男と島民。その準備の過程…見合いの時の話題、趣味趣向などをシュミレーションする姿が滑稽に描かれる。そして若い島民同士の男女・男男の恋愛事情、誤解・勘違いも絡んだドタバタ騒動。そして見せ場である見合い当日を迎える。一方、都会から来た女性たちにも色々な事情があるようで、果たして集団見合いは成功するのか…。

    島という閉鎖的と思われる土地で、行き違いがあれば気まずい思いを引き摺りそうである。しかし、この島の人達はみな優しく温かい。島が一つの家族であり助け助けられという相互扶助が見えてくる。しがらみと閉鎖性というネガティブなことを連想しがちだが、ここでは真逆の「しがらみ」⇔「親和性=家族的」、「閉鎖性」⇔「受容性」としてポジティブに描いている。都会…東京砂漠・隣人何する人などという言葉は無縁である。娯楽施設や大型スーパー等は考え難いが、それでも島の良さが溢れている。そんな島に嫁が…。1人で島民になる不安が集団見合いで解消されるか。そんなところも見所かもしれない。

    過疎化の島が抱える社会問題と、男女の出会いが乏しい人口減少のテーマを明るくポップに伝えるコメディ…という謳い文句。島民同士のカップルについて、一般的には身近で人柄も知っているから恋人関係へ発展しそうであるが、それが逆に幼い時から兄妹のようにして育ってきたという特殊?な環境下の悲哀という細やかな感情表現も自然で上手い。ほんとうに堪能しそして楽しめた。
    さらに第二の故郷が広島である自分にとって、全編本格広島弁はリアルな世界観であり懐かしくも感じた。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2018/02/06 17:54

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