小鳥たちのプロポーズ 公演情報 劇団しゃれこうべ「小鳥たちのプロポーズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    「劇団しゃれこうべ」の旗揚げ公演「小鳥たちのプロポーズ」、それはニール・サイモンの「求婚」(邦題)が原作になっている。
    ある避暑地での出来事、そこで繰り広げられる不器用な愛のカタチが紡ぎあう人間模様といった物語である。夏の魔法にかけられた小鳥たちのプロポーズの結末は如何に。”ハートフルフィーリングコメディ”との謳い文句であったが…。
    (上演時間2時間20分 途中休憩10分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、1950年代のアメリカ、ポコノ山脈にある別荘地をイメージさせる。周りには緑色の平板を立て、いかにも森の中を思わせる。上手側に別荘が建ててある。その上部にはテラスであろうか、別スペース。下手側は切り株をテーブルに見立て、籐椅子が置かれている。
    場内に入ると一気に森の中の別荘へ導かれる。そして上演前は小鳥の囀りが聞こえ、雰囲気作りに努めている。

    梗概… 病気の父バートと独身の娘ジョージー、家政婦クレンマが住む山荘に、離婚し別の男性と結婚している元妻アニー、ジョージーから婚約解消されたが未練が残るケン(ケニー)、実はジョージーが愛する相手でケンとその父親に恩義を抱えているレイ、勝手にジョージーを追いかけてきたヴィニーという粗野な男、レイの恋人であるモデルのサミイも加わり、複雑な愛情模様を繰り広げる。

    人物紹介で、父バートはユダヤ人、家政婦クレンマは黒人という人種的な事が触れられたが、物語の展開には無関係のようだった。あくまでひと夏の恋愛、その騒動をコミカルに描き出した公演であり、人間ドラマとしては表層的で物足りなさが残った。
    一応ハッピーエンドという結末だが、行き場を失ったケンがもっぱら笑いを誘う道化の役割を担う。そこには面白さより哀感が漂うような。また実際の家族ではない、家政婦クレンマの少し距離を置いた存在がスパイスのように効いている。しかし総じて人物像の立ち上げが弱く、人間的な深みと係わり合いが感じられなかった。

    演技がぎこちないのかテンポが単調なのか、いずれにしても上演時間が長いことも相まって冗長と思えてしまう。せっかくセットと雰囲気作りに努めており、その環境下で紡がれる物語に魅力が持てなければ勿体無いと思う。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2018/02/04 11:04

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