楽園の怪人 公演情報 トツゲキ倶楽部「楽園の怪人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    鑑賞日2018/01/29 (月) 18:30

    座席1階1列

    江戸川乱歩原作の舞台化となれば、取るものもとりあえず観劇に向かわねばなりません。
    「偉大なる夢」という原題がなぜ「楽園の怪人」になるのか、そこには脚本家・演出家としての翻案があるのだろうとの期待もあります。

    大川家3代の話の下りは、夫婦(といっても3代目は夫婦になる前に別れてしまうのだけれど)が全員女性、なかなかによいテンポで、あとで「ああ、それでなのね」という言葉遊びも入れて、結構楽しめる。

    原作通り「偉大なる夢」の意味も途中で判るし、「楽園の怪人」というのも、信濃の山中で極秘裏に進められる研究所(研究者たちの楽園)に暗躍する怪人、あるいは、家族(楽園)の中に血縁のみに連綿と受け継がれる怪しい影(怪人の存在)という理解も可能かもしれない。

    しかし、カタルシスがない。ラストに向けて迫りくるものがない。そしてなによりも、何が起きて、何が問題となっているのか(博士が襲われ、極秘裏の設計図が盗まれる。というのだが、それで?設計図はまぬけなくらいに、すぐ出てくるし)がよく判らない。

    面白くなりそうな題材は幾つも転がっているようなのだけれど。例えば、なぜ京子は極秘裏の研究に兄と同行しているのか、明智が話をしている女性はどこにいていつの話なのか(研究所内ではないらしい)、博士はなぜ子連れの女性と再婚したのかetc

    私的には、ちょっと残念な舞台でした。

    ネタバレBOX

    本の紹介を読んでみましたが、スパイ(犯人)探し、本格トリックであるというのだが、犯人探しというには、登場人物の情報量があまりに少ないし(新一は京子に惚れているの?博士が新一に強い愛情を注いでいる背景は何?、他の研究者の出自は?)、何がトリックなのかも判らない。

    まあ、血族の話ではあるけれど、そこは乱歩。横溝正史に比べると異常にあっさりとしていて、そんな強い縛りにもどうしても思えない。そこは、むしろ演出や脚本のせいなのかな。

    0

    2018/01/30 12:13

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大