三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか? 公演情報 鈍牛倶楽部「三人姉妹はホントにモスクワに行きたがっているのか?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    台詞よりも仕掛けの効果に頼る舞台が流行りだが、岩松了の舞台は台詞で見せる。ことにチェホフは岩松が学生の頃から取り組んだ作家で、自家薬篭中のもの。「三人姉妹」を河原で上演しようとしている小劇団のバックステージ模様と、芝居の「三人姉妹」を重ねて滑り出す最初の溶暗まではなかなかシャレてもいるし、随所に本歌取りがあって快調である。ワークショップのメンバーを集めたと言うキャストは、全くと言っていいほど実績が浮かばない俳優ばかり(出演表か配られたが、配役表が欲しい。誰が何をやっているかわからない)だが、よく稽古が行き届いていてそれぞれの役も過不足ない。メンバーの一人がマスコミに売れることで劇団内に波紋が広がっていく二場からは近くの住人なども出てきた話も広がっていく。この人物たちもさすが、鶴屋南北賞(だったっか?)受賞した岩松、キャラも台詞も面白い。三場には歌もあるがこれもなかなかいい感じだ。

    ネタバレBOX

    しかし面白ければ面白いほど、一場のような、一九世紀のロシアの「三人姉妹」と現在の演劇若手の重ね合わせは、うまくいかなくなる。だんだん最後の軍隊が出ていくところはどうするつもりかと心配になってくる。なんとか決闘のシーンで一人が生きていることにする新趣向で逃れようとするが、やはりうまく結末には持っていけていない。「三人姉妹」の幕切れ、三人姉妹がそれぞれ出発する軍隊を見送りながら人生の行方について独白する有名な感動シーンにはつなげられなかった。岩松の力量からすれば、時間をかければできただろうが、ま、今回はここまでと言う納めである。それでも、これでも十分面白い。もう少し手を入れて、設備と椅子のいい劇場でもう一度見たい舞台である。

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    2018/01/29 23:20

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