黒の仁風 公演情報 演激集団INDIGO PLANTS「黒の仁風」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2018/01/10 (水) 18:30

    圧倒的な舞台。
    脚本も面白いし、舞台装置もうまく機能している(山村部、地位の高低、関ケ原の陣などを1つの階段状の装置を回し使いながらよく表現している)。演出も悪くないし、殺陣も頑張っていると感じる。そして何より衣裳の素晴らしさ。※

    なのに、どうしても不満が残るのは、阿国の立ち位置がどうもよく判らないからだと思う。
    フィクションなのだから、吉継と阿国が幼馴染というのは構わない。ではなぜ、阿国なの?
    吉継と阿国に恋愛感情があったのかも曖昧だし、阿国の活躍の場と言っても、家康に庶民の気持ちを代弁して諫言することくらい。期待した踊りもほとんどなく(ケレン味のあるカブキ踊りを期待したのだけれど)、これだったら阿国でなくてもよくない?

    大谷吉継の話としては、かなり面白くできていて、それだけでも成立したと思う。
    (また、個人的な興味として、それでも観に行ったはず)阿国を、語られることのない正室に置き換えたら、もっとすんなり話がまとまったのではないだろうか。→ネタバレじへ
    阿国の存在が、観劇の動機を大きく占めてしまったので、どうしても喪失感が大きくなったことが惜しまれる。

    本当に面白いのだけれどなあ。

    ※注文を付けるとすれば、
     ①一揆の場面でも、合戦の場面でも、なぜ敵方の兵は忍者の姿をしているのかが不明。
     ②その忍者姿の方の中に地下足袋らしき物を履いていた方がいたのが残念。
     ③大名クラスが裸足に草鞋で出かけたり、戦場に出向いたりはしないと思う。

    ネタバレBOX

    (続き)
    ラスト近く、小早川軍が大谷軍を責める動機として、阿国への横恋慕があったといのだが、阿国を正室にしても、小早川秀秋がその正室に横恋慕していたという話でもまとまらなくはない。女性が関ケ原の合戦の陣中に赴くということに、そもそも無理があるのだから。

    さて、話としては、
    実は、本多正信が徳川家康を薬でコントロールして天下取りに向かわせた。
    実は、朝鮮出兵は、石田三成が福島、加藤を中央から遠のけ、戦死を図った陰謀だった。
    実は、天下泰平を望んだ吉継が、西軍の敗北を画策して、計画通りに実行された。
    実は、本多正信は、服部半蔵に暗殺されて、半蔵が正信に成りすまして幕府を動かした。
    いやあ、面白い。よく考えたなあ、と脚本は奇想天外、とてもよくできていると思いました。

    でも、序盤に真田信繁が出てくるので、史実上は娘婿となる彼が、もっと吉継と絡みがあって活躍して欲しかったなあ。

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    2018/01/11 09:26

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