ちょっと、まってください 公演情報 ナイロン100℃「ちょっと、まってください」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    休憩を入れて3時間15分の芝居である。
    借金まみれで主人だけがそれを知らず、退屈な毎日を送る金持ちの家の庭に、リヤカーに荷物を積んだ貧乏人家族が住み着く。ナンセンスな会話が積み重なって、誰もそれを不思議と思わずに物語が進んでいき、いつの間にか金持ち家族と貧乏人が入れ替わっていってしまう。
    久々のナイロン100℃は、不条理劇を目指したものらしい。屋敷の隣に唐突に立っている電信柱や貧乏人たちが引いてくるリヤカーは別役実のオマージュだという。
    達者な役者たちの演技とプロジェクションマッピングというらしい、建物や舞台空間に映し出される雨やサイケな映像が物珍しく最後まで見てしまった。
    別役作品は30年以上前に文学座のアトリエ公演でたくさん観た覚えがある。若い頃の小林勝也、角野卓造、田村勝彦、吉野佳子、倉野章子たち役者の芝居である。当然のように喋るナンセンスな台詞に気圧されるような迫力があり、うすら寒い怖さがあった。
    今日の芝居のように、するすると台詞が流れて行ってしまうとどこが不条理劇なのかと首を傾げる。都で評判の芝居だからといって、私の好みには合わないことがあるということだ。

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    2018/01/09 21:00

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