『自作自演』<第15回> 公演情報 東京芸術劇場「『自作自演』<第15回>」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    これは世代の異なる二人の舞台関連のクリエーターが自作を朗読しトークを行うという東京芸術劇場で不定期に開催されるものの最新回です。

    第15回 2018年01月07日(日)15:00
    石田衣良(小説家)×辻村深月(小説家) 司会 徳永京子(演劇ジャーナリスト)

    今回は同舞台で上演中の「池袋ウエストゲートパーク SONG&DANCE」の原作者である石田さんと石田さんを尊敬して親交の深い辻村さんのお二人になりました。基本的に演劇関連の出演者が多いのですが今回はお二人とも小説家ということでcorichの皆様には関心の薄いものであったようです。ちなみに過去3回の出演者は以下の通りです。

    第14回 2016年10月09日(日)18:00
    竹内銃一郎(劇作家・演出家)×ノゾエ征爾(劇作家・演出家・俳優)司会 徳永京子

    第13回 2015年12月13日(日)18:00
    穂村弘(歌人)×又吉直樹(芸人・小説家)司会 徳永京子

    第12回 2015年2月2日(日)19:00
    飴屋法水(現代美術家・役者・演出家)× 江本純子(劇作家・演出家・俳優)司会 徳永京子

    私は特にお二人のファンということはないのですが小説を読む視点を多くするためのヒントを求めて参加してみました。以下では全体の様子を簡単にレポートして次回以降の参加を検討される方の参考に供したいと思います。

    司会挨拶があって、辻村さんが新作「かがみの孤城」の冒頭部を30分朗読し、ついで石田さんが「池袋ウエストゲートパーク」の上演部分を抜粋して30分朗読して前半は終了です。辻村さんは朗読は初めてということでしたがはっきりとした口調でお母さんと娘をしっかりと読み分けていました。対して石田さんは登場人物が男女複数であることもあって特に区別せず淡々と読み進め、20年前の文章を自ら褒めているのが和めました。

    10分の休憩のあと、後半は司会を交えてのお二人の対談です。普段の執筆の様子とか締め切りの対処法などの定番からちょっと危ない話まで笑いの絶えないトークでした。

    少しだけ記憶を掘り起こしてみましょう(私の聞き間違い記憶違いがありうることにご注意ください)。

    お二人とも音楽をかけながら仕事をするのはよいとして、日本語の歌詞があっても気にならないというのがちょっと意外でした。辻村さんは大槻ケンヂ(筋肉少女帯)さんのファンで聴きすぎて特別なものでなくなりBGM化しているそうです。石田さんはロックからクラシックまで雑食とのことでした。

    作品の舞台化について石田さんはクールというか突き放した感じで気に入る入らないは半々ということでした。辻村さんは「演出家に負けたい」そうで、その意味は素晴らしいものが付け加えられることを期待するということで、原作にこの場面があればもっと素晴らしいものになったのにと思うことがあるそうです。石田さんはこの意見に対しても、出来上がっているものの一部を改良するのは簡単で、ゼロから作り出すことが素晴らしいのだと原作者の誇りを強調していました。

    司会の徳永さんもうまく流れをコントロールしていましたし、最後の聴衆からの質問もサクラではないかと思うような良い質問揃いで2時間飽きずに楽しめました。

    帰り道で「かがみの孤城」1,800円+税、554ページを買ってしまいました。冒頭部を聴くと後が気になりますね。うまい販促です(笑)

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    2018/01/08 05:10

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