満足度★★★★
ジュブナイルの世界観でありながらも、かなりのダークさを包含しており子供向けの作品でない事は明らか。
あらすじからは既に“海野藻屑”という少女がバラバラ遺体となる結末が分かったうえで、彼女が転校し“山田なぎさ”という少女と出逢うところから物語はスタート。
この“山田なぎさ”の視点を中心に作品は描かれている為、ほぼ彼女は舞台に出ずっぱり。
切れ長の目には未成年ながら強く現実を見据えようとする力が宿っており、相当な気合いで役柄に挑まれている事が伺えました。
理不尽な現実に対して、ファンタジーを身にまとうことで武装したり、インターネットの世界へと逃げ込んだり、無事大人に成長するだけでも大変な子供は沢山存在するのだろうと考えさせられ心が痛むと共に、大人には手の届かないその心内は僅かながらでも分かる気がして、懐かしい痛みを呼び起こす作品でもありました。