満足度★★★★
狭い会場の壁際にぐるりと椅子が置かれ、その囲まれた中が舞台。演者さんとの距離が近い。近親相姦を扱った芝居だが、性的にエゲつない場面はないんだけど観ちゃいけないものを観てる気分。物語に引きずりこまれ、また突き放されて翻弄されっぱなし。
当日パンフに「役者が観客を触ります」と記載。始まってすぐ足元に倒れ込んだ澤井里依さんに膝をそっと触れられ続ける。平静を装ってたけど、すごい緊張感であと30秒触れられてたら呼吸ができなくなりそうだった。「触れる」って感覚に訴える凄さと怖さを味わった。
アフタートークに出演された先生の解説がとても興味深かった。物語の構造や登場人物の名前、父親の職業など、いずれもキリスト教の教えがモチーフになっていることが読み取れるんだそうで、それを聞いてもう一回観てみたくなった。とても有意義なアフタートークでした。