私の青空! 公演情報 MICRO SHAYS「私の青空!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    戦中を思わせる不穏な空気を背景に、生きる活力を失いつつある人々、テロリストを彷彿とさせる不気味な秘密結社。昭和テイストだけど、ああ…これは今なんだな…だから今、演るんだなと思える。
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    ネタバレBOX

    世の中が推す「耳障りの良い前向きな価値観」。それが導いた結果と対比させ、その価値観をぼんやりと…でも強烈に皮肉る言葉と空気の数々。人の感動の裏に潜む「心の闇」をも引き摺り出す。フミエの「感動的でしょ?」という嘲笑が印象的。
    「永久に始まらない明日サーカス」も皮肉的で良かったなぁ。

    一方で「世の中が切り捨てがちな価値観」との共存をいとおしむ。印象的なのは考古学者と同じと評された「読めない文字の本」を楽しむ梅子。今なら「多様性の受容」というところ。まぁ、それすらも今はポピュラーに使われ、都合の良いように置き換えられる。これもまた「耳障りの良い価値観」と見做される時代かも。所詮、人は都合よく思想を取り込むものだから、本当に皮肉られるのは思想よりも、多数派の心理なのかも。な~んとなく皮肉が強すぎて、ラストで素直に「心の中の青空」を感じられない私でした。

    でも、序盤で使われた「想像でモノが生まれる仕組み」なんかは新鮮で好きだった。人の生き方も、自分の考え方次第ということなのだろうか。

    役者。

    ゲタムラ・うえっていさんの0.1tonアタック、痛快(笑)
    そして冒頭の客入れ芝居でみせた、ゲタ等の小道具を様々に使った謎の所作は、良い角度でもっと見たかった。

    真田・藤島さん。善意のキャラで通すのかと思いきや、フミエとの口論で表出する本音の芝居が熱かった。藤島さん得意(?)の毒のある感じの芝居が刺さる。

    フミエ・しんかさん。先述の芝居はもちろん、陰を持って佇む芝居を真ん前で観れるタイミングもあって、重苦しい雰囲気を堪能しました。

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    2018/01/04 19:00

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