騎士ブルース 公演情報 無頼組合「騎士ブルース」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    B級活劇ストーリー「騎士」シリーズ最終回、実に感動的でラストは泣けてくる。カーテンコールでシラカワ タカシさんが当初は3作ぐらいのシリーズを予定していたが、人気を博し10作になったと説明していた。物語は、架空の都市(サウスベイシティ)を疾走するような早いテンポで進む。そこには鋭い社会性、それに挑む愛すべきキャラクターが生き活きと活躍し娯楽性に富んでおり、多くのファンを魅了してきたと思う。
    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    この都市、街は殺伐、退廃したイメージを持たせているようだが、一方その佇まいのようなものはスタイリッシュ、洗練されているという感じでもある。そんな混沌とした街で探偵業を営んでいる。

    舞台はほぼ素舞台。シーンによって探偵事務所内、BarカウンターやオカマBarのソファなど簡易な調度品が運び込まれる。全体が走り回るようなアクションシーンであることから、ある程度のスペースを確保しておく必要がある。その情景・状況は役者の演技で体現しており、緩急ある動きは思索とアクションというメリハリを表している。

    梗概…主人公・風吹淳平(シラカワ タカシサン)は、サウスベイシティで私立探偵を営んでいる。非合法な仕事以外は何でも引き受ける。裏社会のパワーバランスをコントロールするコーディネーターの1人を殺害した容疑で逮捕されるが、緩い取り調べの後に釈放された。一方、‶クリーンな国際都市づくり〟を公約に掲げる市長は、目的のためにコーディネーターと結託し、ギャング組織の解体、都市開発の名目で猥雑で風紀上問題のあるエリアの立ち退きなどを強行的に進める。探偵事務所とニューハーフパブ「バナナの気持ち」が店を構えるダコダハウスにも立ち退き命令が出る。仲間達のために都市開発を阻止しようと奔走するが、権力の前にうまく事は進まない。そんな時、ブラッドシティから懐かしい助っ人がやって来た。俺の昔の女…フリージャーナリストの‶安奈〟だ。彼女はジョージ・オハラがコーディネーターという組織を作ったのかを知っているという。コーディネーターを叩く突破口になるか、熱い最後の戦いが始まるが…。

    観(魅)せ方、その展開は次元や時間を越えることなく、”今”という時の中で描かれる。それだけに分かり易いしストーリーに集中できる。ラスト…大切な人と場所を失う悲しさ、それでも鶴田紅は「死にたくなるような孤独を乗り越えて生きていけ!」という淳平から諭されていた。まるで応援歌のようなセリフが心に響く。実に見事なエンターテインメント作品であった。

    次回公演(別シリーズ、または本シリーズ番外編)を楽しみにしております。

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    2017/12/15 17:42

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