満足度★★★★★
ミュージカルファンとしては押えておかねばならない基本演目ということで行ってきました日生劇場。昔、ミュージカルに興味がない、というか精神的にも金銭的にも余裕がないころに森繁さんで話題になっていたことは覚えています。何十年も経ってようやくの鑑賞です。
歌、踊り、ストーリーのバランスが絶妙です。
ミュージカルのストーリーというと単純すぎたり、壮大すぎたりで軽視されていることが多々ありますが、この作品では力まず、急がずじわじわと心に沁みこんできます。日本での初演から50年というのも納得です。
実咲凜音さんはしっかりものの長女にぴったりで凛とした美しさにあふれ、神田沙也加さんはいかにもその妹らしい柔らかな振る舞いが印象的でした。また肉屋の今井清隆さんのバリトンボイスは歌もセリフも朗々と響いて、しかも嫌味がありません。もちろん鳳蘭さんの安定した歌と演技は全体を引き締め、…他の方も挙げればキリがありません。
何かあっと驚くものを求めるという人を除き、どなたにもお勧めできるものです。