* 公演情報 *「*」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    チラシに作・演出は藤目怜子女史と記載されている。自分はどこかで観たこと、または読んだことがあるような気がした。
    公演はストーリーらしきものはあるが、抽象的な感じで雰囲気は透明感というか淡々としている。
    (上演時間1時間)

    ネタバレBOX

    基本的に素舞台。周りはカーテンのような幕で囲い、一瞬後ろ幕が捲くられ姿見が置かれているのが分かる。衣装は男性はサラリーマン風、少女は赤い服で腰あたりに襞(尾ひれ)のようなものがある。もう1人の女性は白い服、3人三様である。

    全体的にはミステリアスな感じであるが、端的に表すとすれば”人間”と”金魚”(擬人化)の日常会話を通して淡い恋心を観ているようだ。登場は男、女、金魚であるが、この設定は室生犀星の小説「蜜のあわれ」(2016年には映画化)を連想する。小説(映画も同様)は、耽美・妖艶といったイメージである。犀星(闘病期)の理想の“女ひと”の結晶・変幻自在の金魚と老作家の会話で構築する艶やかな小説であった。
    本公演は精神的で無邪気な浮遊感がある。若い男と赤い金魚、とめどない会話をし仲睦まじく暮らしていた。特に切羽詰まった感情は見受けられなかったが、いつの間にか若い男は素っ気無い態度をとる様になる。自分以外の存在に興味を抱いたかのようである。そして自分の姿はもちろん、魅力にも気が付かない金魚、それでも別の姿(視点)から己の正体を気づかせるような展開である。

    役者の演技は、その存在感と立場を現していたが、物語性や特別な演出が見られず印象が薄くなったのが残念だった。
    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2017/11/28 22:20

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大