オセロー 公演情報 東京芸術劇場「オセロー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    演劇鑑賞初心者としてはかなり背伸びをして行ってみたオランダ語上演日本語字幕付。
    字幕は舞台中央上から下がっている液晶パネル(縦0.5m横3mくらい)に13文字2行で表示される。表示は明るく見やすいが演技の邪魔にならないようにかなり上の方にあって目の移動が忙しい。見る前は心配していたのだがそれほど苦にならなかった。

    字幕でも鑑賞の妨げにならなかったのはセリフがほぼ原作の省略&短縮版であって、凝った意外な展開などがなくチラと見るだけで考える必要がないからでもある。服装や背景は現代のものだがセリフは昔のままというのはシェークスピアの悲劇が現代でもそのまま通用することの実証なのであろう。

    さて、私は現代の人間に昔のセリフという設定に最初は文句ばかり言っていた。現代に「娘を魔術でたぶらかされた」なんて言う親がいるわけがない、現代の将軍は高年齢なので新婚はありえない…などなど。もちろんオセローが白人なのも不満だった。しかし気がついてみるとオランダの俳優さんたちの力のこもった演技にどんどん引き込まれて不自然さを忘れてしまっていた。

    この公演の見た目での一番の売りはオセローの自宅である。全面ガラス張りで家の向こう側まではっきりと見通せるという(匠のリフォームの失敗作のような)建物である。家の中はもちろん、手前側、向こう側などを駆使していろいろな表現を試みている。クライマックスでもう一段の仕掛けがあるのでお楽しみに。

    現代という設定を忘れて観ていれば変な脚色のない正統派の「オセロー」が楽しめるし(ただしかなり削除された場面はある)、普通の「オセロー」は飽きたという通の人にはまたいろいろあるだろう(知らないけど)。オランダ語上演に皆さんおそれをなしたか満席にはなっていない。興味の湧いてきた人は日曜最終日の空席に期待して行ってみよう。

    豆知識 カシオ計算機は Casio、キャシオーは Cassio

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    2017/11/04 19:53

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