満足度★★★
28日、スペース梟門で上演された羽衣1011第6回プロデュース公演『すみれの花、サカセテ again』を観た。これは作、出演者に自分が興味を持っている演劇集団西瓜糖のメンバーがいたからである。
本作品は、秋之桜子(役者・山像かおりのペンネーム)の処女作品で2005年に上演されたものの12年ぶりの再演舞台。当時40歳代であった出演の山像かおり、渡辺美佐も既に50歳代となって、前回とは味わい・演技の深みが加わっているのだろうが、その違いは初演を観ていないのでよく分からない。
舞台は高級高層マンションの一室にあるエステサロン。店をたたむ準備を終えた店主のミチが、オートロックで部屋が閉まる寸前にやってきた常連客の有名下着メイカーの女社長・綾小路と部屋に閉じ込められ、オートロック解除方法が分かるまでの2人のやりとりを描いた2人芝居。なんとか部屋から出ようとする2人のドタバタ行動。当初は店主と常連顧客という関係だったのが、ふとしたことから実は若いときはミチが愚連隊総長、顧客の綾小路がその子分であったことが判明して立場が逆転というオチまであって約90分に盛りだくさんの内容が織り込まれていて時間を忘れて見入ってしまった。出来すぎた偶然も、こうして上手く料理されると苦にならない展開となる。2人の熱演には拍手を送りたい。