満足度★★★★
見応え十分
タイトルの通り、ある島の売春宿が舞台で4人の売春婦と経営者、それに経営者の腹違い(妾の子)の弟・妹による物語。
題材が題材だけに佐藤二朗初監督の『memo』(08年)のソフトタッチとは対照的にハード気味ながら、随所に演技におけるあの独特の間合いと共通のトボケた雰囲気があり、それによって緊張が緩和されるシカケ。(佐藤は脚本のみ、演出は堤泰之)
また、落ち着きのあるリーダー格、アネゴ系ツッコミ、気弱な不器用者、天然系フシギちゃん(笑)、とキッチリ描き分けられた売春婦4人を兎本有紀、今藤洋子、野口かおる、笹野鈴々音なんて「異種格闘技」のような個性派女優たちが演じ、『櫻の園』(07年6月)以来舞台の実績を積みつつある佐藤寛子も病身の女性を好演、そこにこういう役どころだとコワい大高洋夫、意外にも(?)コメディリリーフの太田善也、それに主宰の佐藤二朗といういわば「オールスター戦」で、その演技合戦は見応え十分。