満足度★★★★★
チラシに書かれている通り”震災”をテーマにした公演。
人は孤立には耐えられないが、孤独には立ち向かえる、とは某冒険家の言葉だったような。この公演は、(楽しい)思い出でに勇気をもらい、大きく一歩踏み出す物語である。
物語は幼い頃の思い出に浸るという楽しい場面から、終盤に向かって今の状況へ収斂していく。予想がつかない景色の反転が巧み。その”怒涛のような波”…それが引けた時の大きな感動に心魂震える。
練り上げた構想(脚本)、それを魅力的に観(魅)せる演出、そして”生きている”人々を生き活きと体現する役者の演技、そして舞台美術・技術が実に好い。途中の緩い笑いも、ラストの感動を引き出す妙味があった。
これから観る方のためにも筋の紹介はごくわずかにとどめたい。
(上演時間2時間10分)