満足度★★★★
この劇はリア王の輻輳劇でもあり、名家のうち、分家の家もリア王のごとく、内部分裂している。これがシェイクスピア劇の退屈を救っている。
そのため本家の内部紛争も面白いが、分家の次男が実力でのし上がってゆくさまが一つのポイントとなる。躍動感があり、とても奥行きのある作品となった。
この父親を演じる牛丸氏が実にうまく、両目を失明させられ(実は実の息子と)放浪するシーンは、オイディプス王と重なり重層感をもたらした。ある意味この父親がこの劇の主役ではないかと錯覚するほどだ。
登場人物実に20人以上。みんなさすが、発声が見事で、久々に基本的な朗々たる演劇を見ることができた。たまにはこんな本格演劇を見ることも必要ですね。
2017/09/27 06:18