満足度★★★★★
面白かった。気迫の一幕でした。太宰さんの「新ハムレット」は、沙翁よりはるかにグロテスクで、生々しい。書かれた時代の、空気感がある。この公演は、それを、熱意と理解をもって、小劇場の濃密な空間に、ぶつけてくる。
それぞれ、懸命にことばを尽くしながら、互いに溝を深めるばかりの人物たちは、みんな可哀想に思える。クローディアスさえも、憎いというより、可哀想だ。
これ以上、ごちゃごちゃ、こまかい事は、書きますまい。しかし私は、帰りの電車に乗っている間じゅう、この芝居をいろいろと思い返して考え、大いにたのしんだのであります。ただ、三鷹を通りすぎるときは、すこし、せつない気分になったようです。The rest is silence.