シアンのアダナミ full volume 公演情報 ウラダイコク「シアンのアダナミ full volume」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    王子でまたまた掘出物
    1月の王子小劇場は、無名の劇団や若手の劇団をバックアップする時期なのかな?
    先週のカムヰヤッセンは板倉チヒロさんという芸達者な、既に認知度のある役者さんの力と魅力を最大限に引出す事で強烈な印象の舞台を作り上げたけど、今週のウラダイコクは個人プレーというよりチームプレーが光っていました。
    最初、開演まではお客さんからお題を募っての即興芝居で、全身白タイツの4人が「オバマのオナラ」という寸劇をやっていて、まずこれで開場を暖めてました。

    会場のお客さんの誘導もとても丁寧かつスムーズで、超満員の劇場でも混乱する事なく席につけました。

    今回の舞台で感心したのは、作・演出の如月セイチローさんの前説から物語が始まっていくまでの流れ。
    お客さんに語りかけ、「目をつぶってイメージしてください」と語りかけ、客のひとりひとりの頭の中に砂漠とそこで大切な誰かといるイメージを作らせます。
    そして、目を開けると舞台が始まっているのでした。

    ネタバレBOX

    舞台は黒で統一されて、奥のほうに段になった台があって、その上でも芝居が進められるつくり。
    とにかく役者さんが多いのだけど、キャラ作りがしっかりしていて、それぞれが強く印象に残ります。

    そして、何といっても速いテンポの物語。
    それに織り交ぜられてゆくショートコントや様々なネタ。
    会話のテンポもよく、とにかく見ていてグイグイと惹きつけられてゆきます。

    時代はいつごろなのでしょう?
    とにかく昔の日本。刀を差した盗賊たちがお宝を狙う。
    その盗賊団をまとめているのは女性で、その妖艶な魅力に男たちは皆魅了されているが、盗賊たちひとりひとりはお互いの腹を探りつつ、決して心から信頼する事なく、それでも同じ目的に向かって疾走してゆく。
    しかし、その女性の存在が最後には盗賊団を破滅へと導いてゆくのだった。。。

    とにかく軽快で、殺陣もあれば笑いもある。
    劇団コーヒー牛乳と似た感触があって、とにかくエンターテイメントに徹した姿がいさぎよいです。

    誰かひとりだけを立てたりするわけではなく、あくまでチームプレーで作られた話も、盗賊団やそれに狙われる金持ちの組織というものをうまく現していたと思います。

    ひねりが効いたストーリーも良いし、映像の使い方やオープニング映像のセンス等もとても良い。

    たまにふざけすぎなところもあったりするけど、それもご愛嬌、とすませられるだけの暖かい雰囲気を作ることに成功していたと思います。

    終演後にアンケートに関して主催の如月セイチローさんが「お客様たちのとの交換日記のようなものだと思っています」と語っていたのが印象的でした。

    本当に、客とのコミュニケーションを大切にして、客を楽しませるためにメンバーが一丸になって挑んでいる。

    今後に期待を抱かせるに十分な舞台でした。

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    2009/01/26 01:57

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