リーゼント総理 公演情報 カラスカ「リーゼント総理」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     疾走感が半端なく、上演2時間があっという間であった。また、けっして広くはない舞台上での格闘シーンは迫力があった。不良が何となく正義(庶民)の味方になっていく…映画、TVドラマでありそうなシチュエーションであるが、ある意味王道の公演は観応えがあった。
    (上演時間2時間5分)

    ネタバレBOX

    セットは中央にアーチ型(レンガで出来ているイメージ)の出入り口、その左右に段差を設けた板。左右はほぼ対称で2~3段の段差がある。その上下の動きが躍動感を生み、心地よいテンポで進む。
    梗概…2万人の暴走族を率いる宮ノ内タカシ(大野清志サン)は、国会議員である父親と確執があったが、父の非業な死により後継することを決意する。父の死は地元の利権絡みによる敵対する国会議員とその手下の暴力団の仕業によるもの。
    父の選挙事務所の秘書等の助けを借り、どうにか当選することが出来た。しかし、相手陣営、暴力団の魔の手は、暴走族の仲間へ及ぶ。

    ところで、脚本・演出の江戸川崇氏は関西出身だろうか。劇中の設定、地元はヤマトということであり、そこに流れる川にまた蛍が集まってくるようにしたい。そんな澄むような川の清掃活動が描かれる。以前、奈良県を流れる一級河川・大和川の水質がワースト2、3になり、近隣住民が清掃し蛍が棲めるようになった記事を読んだことがある。実話を連想させるが、物語はあくまでフィクション。ストーリーにあまり意外性はないが、テンポの良さと登場人物のキャラクターの面白味で十分楽しめる。特に、2つの格闘シーンは見どころ。まず特攻隊長が暴力団を壊滅させる所。次に主人公と腹心・特攻隊長のどちらが強いのか決める所。

    通称:暴対法施行、反社会的勢力(暴力団)壊滅、政権・利害争いへのメス、環境保護など色々な要素を盛り込み、いつの間にか暴走族総長が国会議員になり、住民のための活動をし、世論の支持を得るという滑稽痛快な物語。
    この男が惚れた女性は暴力嫌い。まだ一国会議員であるが、惚れた弱みで暴力を封印し、さらに人徳が増せば総理大臣も夢ではないかもしれない。それでも髪型はリーゼントのままでくあろうが…。そんな洒落っ気が笑いを誘う。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/08/03 10:19

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