チェーホフ『かもめ』 公演情報 演劇集団アクト青山「チェーホフ『かもめ』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/06/17 (土)

    17日ソワレの回を観劇。

    ネタバレBOX

    何度となく上演されてきた古典的名作。フォーマットはガチガチなだけに、如何にさり気なく(あるいは、大胆に)味つけして観客に供するのか、演出家の腕のみせどころかと存じます。

    今宵の『かもめ』は2時間半ノンストップ! でもって、体力・気力共に欠けるオッサン故に、終演時は頭真っ白・足腰ガタガタの体たらく(笑)。確か、自分が最初に観た俳優座さん版では途中に休憩はさんでいたはずなんで、今回も…せんがわ劇場というロケーション上、ソワレの観客の帰宅時間を考慮すると難しいかぁ。

    まっ、それはさておき、アクト青山版『かもめ』ですけど…アレ?この作品って、こんなにクスクス笑い、取ったかなぁ? 今宵のアルカーヂナに、マーシャ(演・山辺恵さん)、何気にお茶目です。人物設定の枠をはみ出さない程度に、シニカルにコミカルなセリフ回し&所作。得てして古色蒼然となりがちな不朽の名作に、生の息吹きを呼び起こしてくれた…とまで褒めたら、ちょっと言い過ぎかな。

    でぇ、アルカーヂナ役の米山祐子さん。 「息子のいる大女優」という役柄に自分がこれまで抱いてきたイメージよりも遥かに若くて華やかな方! 正直、登場時は度肝を抜かれました。ですが、観終わっての印象は…大女優のプライドが邪魔をして感情をつたえるのは不器用だけど、実はおちょこちょいで「こじらせ息子」への愛に溢れるシングルマザー、の観。「アルカーヂナ」に初めて、親密感さえ覚えました。

    ニーナ役は、以前より面識のある、華奈さん。今回、大役を任されていることへの重圧感からか、序盤は硬さも見受けられました(と、ワタシの目には映りました)。だが、落魄(らくはく)した身でトレープレフに逢いに来る後半の見せ場になると、ニーナの心情と華奈さんの懸命さ、見事にシンクロしたように感じました。
    良い経験を積まれたと思います。お疲れ様でした。

    最後に、あと、お一方。アルカーヂナの息子・トレープレフ。過去、いろんな団体さんのトレープレフを観てきましたが、演ずる役者さんのキャリアとかが透けて見えて、ホンネを言うと、あまり納得のいくものではありませんでした。ところが、今宵の中迫達也さん! 若さと未熟故の偏狭さがとてもビビットで、実に魅力に富んだ「こじらせ息子」ぶりが好印象でした。

    ということでぇ、過去、幾度か拝見したことのある作品ですが、若いキャストさん達の演ずる青山アクト版『かもめ』、19世紀の帝政ロシアの頃のおはなしなのに、現代人の家庭劇を上演しているような…時折ニヤつきながらも、どこか身につまされる芝居でした、とさ♪

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    2017/06/19 02:16

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