満足度★★★★
初演も観たのだが、なんというか、物凄く「まっさらな器で新しい料理を盛りつけられた」というのが、第一印象。私の流した涙は初演とは違った場面だった。
『8mmとか、昔のアルバムの写真を見つめるような、ある種のノスタルジーを私は感じた。ふたつの流れが混じり合う所にナイトは位置していたのかなと。一つの流れは、穏やかな家族の流れ。一つの流れは激しく冷たい家族(個人)の流れ。』初演時の私のカンジタコト。
大庭乙音(相葉りこさん)と、大庭千鶴(笠井里美さん)
今回、この役柄が自分的にぐっと台詞がココロに入り込んできた。
何故だろう。男たちの主軸と見える今作だが、再演は物凄く女たちが気になってしょうがなかった。
ふと、男たちの裏側に薄く見える弱さのようなものを、他の登場する女たちが支えてるというか、包んでいるような気もしてきた。
そして初演の親子の確執が、再演は何か大きく受ける印象が変わっていた。
まるっと、新しい空気感というか、切れそうで切れない「血」の繋がりだったものが少し、太くなっているような気がした。
あの「家族」の流れに身をゆだねる事は選択肢として無かったのだろうか。
もしも・・・。もしも、分岐点で緩やかにその流れに身を投じていたら大庭ナイト(渡邉圭介さん)は命を絶つことはなかったのだろうか。
たられば 話は不毛だと思うが。
アマヤドリの舞台は
いつも、単純に、「綺麗」と思ってしまう事がある。
それは、視覚的な事も一個あるのだが、
衣装の基本的に使用する色の統一感(大体3色の組み合わせ)以前
自分の母から歌舞伎の衣装も3色の組み合わせでコーディネート(若しくは柄の組み合わせ)されていると聞いたことがあって、古来からの美しく見える組み合わせの様だ。
舞台美術もシンプルではあるが、今回初演とは小屋サイズが大きく変わり(東京公演は)陰影の出方もより、密になった気がした。
板にうつる、影が文字の様にも、みえる妙。
気のせいか、劇中出てくる飲み物も御茶と、コーヒー。ちゃんと、入れてる様な。
御茶も湯気が立つという所が当たり前だが、ちゃんとしてたのがさすがとおもってしまった
劇中にキーワードで「あか」が出てくる
赤い紫陽花、赤い血、赤い夕陽。
ふと、この関連性があるのかどうか、気になったり。