キョーボーですよ! 公演情報 劇団チャリT企画「キョーボーですよ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    タイトル「キョーボーですよ!」の通り、国会審議で注目されている「共謀罪」を扱った内容。それもストレートな描き方で法案そのものの問題性を浮き彫りにする作風である。
    身近な市民サークルがいつの間にか…そんな怖い世の中になっている様を観せつける。物言えば唇寒し秋の風ではないが、批判めいたことは言えない時代になってしまう。ほんの少し先にあるような物語はタイムリーに選れ、話題性に勝れた公演。実に面白かった。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    ほぼ素舞台で、真ん中にテーブルと相向かいに椅子があるのみ。普通の料理サークル(メンバー)がテロ集団と認定され、警察に事情聴取されることになる。身に覚えのない”一般市民”がいつの間にかテロ(準備)行為に看做されるという怖い世の中になっている。この公演では共謀罪が成立しており、憲法改(悪)定している前提である。憲法9条、国家斉唱、教育勅語など国民感情を逆なでするようなシーンの数々。その逆、表現の自由など、現憲法下にある保障などが危うくなっていることが伝わる。

    この劇団の特長である、時事ネタや社会問題などのシリアスな題材を「バンカラ・ポップ」という独特なセンスで軽妙に笑い飛ばしたコメディ…その真骨頂を観させてもらった。問題意識はしっかり伝わる。内容の重大性からすれば硬質な演出にすることも可能であろうが、あえてコミカルなシーンを取り入れ芝居として観(魅)せる工夫は見事。

    公演では、テロ集団であることの通報があったことから警察の事情聴取に至ったようだが、気にいらない人を陥れるために用いるような怖さも垣間見える。誣告(ぶこく)罪なんか関係なくなるのだろうな~。ちなみに通報の件は明らかにせず、追及しないで割愛したようだが、以外なオチがあったら印象的だったようにも思う。

    ラスト…東京・有楽町で爆発音のような、そして”テロか”という台詞からは、共謀罪を肯定した?実にシュールな展開のようだ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2017/06/17 11:32

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