23階の笑い 公演情報 Grass919「23階の笑い」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    鑑賞日2017/05/23 (火) 19:00

    座席1列

    今となっては、せっかく直近で博品館でも、同演目の舞台があったので見比べてみたかった。というのも、こちらGrass919の芝居が、どこまでオリジナルで、どこまで演出なのかがよく解らなかったから。別にオリジナルと演出どちらがよいということではなく、オリジナルが判ると演出の妙が味わえるし、他の演出と比べれば面白さが一層堪能できたのかと思えるからだ。
    喜劇作家が詰める事務所の場所が、23階らしい。舞台上では語られないので、タイトルそのままということになるのだと思う。
    サイモンの自伝的作品ということで、1950代の雰囲気がとてもよく出ている。
    マッカーシーの赤狩りや、スターリンの死去、ソ連の核兵器保持などの政治ネタ、果てはマーロン・ブランドの映画「ジュリアス・シーザー」がこけたというネタまで盛り込まれ、移動する窓枠をうまく使い屋外の活況のニューヨークをうまく表現して見せている。
    喜劇作家の1人、真那胡敬二、コメディアンのMaxこと大森博史、この2人の壊れっぷりもよい。(本当に壊れているのか、と思うくらい)ラストの挨拶の時の、常人ぶりにほっとしたものだ。

    ネタバレBOX

    ゲロ(嘔吐物)ネタが多いなあ。
    ニール・サイモンの作品はあまり見ていないけれど、舞台だと「名医先生」、映画だと「名探偵登場」などのように、時代設定や舞台設定を彼の経験と話したところで芝居を作ると、こちらも解りやすい(共感しやすい)のだけれども、彼の時代そのままを芝居にすると、どうも解りにくいことが多い。
    この芝居でも、劇中劇で「ジュリアス・シーザー」のコントをやるのだけれど、ひたすらシーザーを切りつける場面の繰り返しとリアクションに面白みはあっても、それ以外の面白さが全然解らない。「タクシー」って何が面白にのやら。シーザーが皆と歌うローマの歌も、楽しいのだけれど面白さがサッパリ?完全に時代の空気に引っ張られている面白さなので、これは辛かった。観客から浮いてしまっていた。
    ロシア訛りの喜劇作家のセリフも、どうしてもただの地方訛りのようにしかできないし(そもそもロシア訛りがどういうものか判らない)、作家同士が面白い名前を言い合ってけんかの勝敗をつけようという場面も、言っている名前の何が面白いのか、、、、
    最後に事務所が解散するときの静謐な別れの場面は、とてもよかったけれど。

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    2017/05/24 10:19

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