ハリー☆ポッタァーと曖昧なアーチの向こう 公演情報 情熱のフラミンゴ「ハリー☆ポッタァーと曖昧なアーチの向こう」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    第7回せんがわ劇場演劇コンクールグランプリ受賞公演…タイトル「ハリー☆ポッタァーと曖昧なアーチの向こう」から明らかなように、小説、その映画化で世界的に有名な魔法学校が舞台になっている。その世界観は、人の心の隙間に入り込む、または観察されるような不気味な感じがする。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台セット…人工芝の奥にアーチ型の出入り口。上手側に金網(一部が壊れている)、下手側に柵。暗転の後、テントが張られピクニック用のテーブル、椅子が置かれる。

    魔法学校の卒業を目前に控えた出来事。魔法が使えない魔法使い、人間(マグル)と一線を画しマグルを軽蔑、差別するが魔法を使えない自身との違いはどこにあるのか?その苛立ちと焦燥がハリー☆ポッタァーの額の傷…。その象徴となる傷、自作自演の英雄気取りは、注目されたいという強欲・自我の表れである。
    しかし、魔法という便利な術が行使できないという心技の矛盾が滑稽に描かれる。その敬いの形が恋愛事情、女性に好かれるという分かりやすい設定である。そしてマグルの世界(コンビニに就職→独立)で生きてみようと思い始める魔法使いもいる。

    作・演出の島村和秀氏によれば「際どいモチーフを渡りきれるかという危うさも去ることながら、偽善と偽悪の谷底に落ちないよう、安定を装いつつバランスを取る。列をなす綱渡りはひとりで後戻りすることも許されず、向かう先に戸惑いを感じながら、なんとなく、曖昧なアーチの向こうへ。愛と勇気の物語をボクたちらしい、最大のリスペクトを込めて描きます。」と。

    公演の表層的な滑稽さは観て取れるが、そこに蠢く危うい感情のようなものが感じられなかった。魔法使いが魔法を使えない人間(マグル)との間で選別できなくなるというアイロニーがもっと観られれば面白いと思う。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/05/17 18:50

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