Mと呼ばれた少女 2017 公演情報 office force「Mと呼ばれた少女 2017」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/05/04 (木) 18:00

    いつも浅草リトルシアターでその演技に接している風間寬治が他団体に客演するというので、4日夜、下落合のTACCS1179に出かけてきた。
    この作品、劇団としては2000年に上演したものの改訂版再演ということになるらしい。

    ネタバレBOX



    舞台は、18世紀の「フランケンシュタインの世界」と、現在の「Mの世界」という2つの世界が交錯する。前者は死者の生命を蘇らせた怪物の、そして後者は遺伝子工学により生み出されたクローン人間の生きる世界。その怪物とクローンが、周りの人間達を巻き込んで生きる事への意味に苦悩する様描いている。舞台上に2つの世界が交互に現れるので、なかなか話の展開を追いにくい部分はあったが、終演後あらためて考えてみると、舞台のテーマはそれほど複雑な物ではなかったのではないかと思えた。むしろ、単純な2つの物語を脚本と演出が複雑な舞台を作り上げているような印象。

    見にくい怪物として蘇った怪物フランケンシュタインは、その容姿の醜さから生み出したヴィクターを恨み彼に復讐しようとする。結果として、彼の婚約者を殺すのであるが、怪物の心の傷はそれで癒やされたのだろうか? 死者を蘇らすということを、現在ではクローン人間・真美(通称M)を作り出すことで実現化させていた。しかし、施設から出たことのないMは生まれてきたことへ疑問をもつ。しかし、施設を取材に来た新聞記者やそれに刺激された施設の意思の努力で、Mは生きる喜びを知るようになる。モンスターとは何か?人間とはなにか?その関わり合い方はどうすべきか?2000年上演では現実味というかMの存在が遠い物に感じられたであろうが,現代では動物のクローンが実際に作られている。Mの存在というものへの意識も違った物になっていよう。

    役者では、怪物役の山岡弘征の存在感が大きかった。ただ、「フランケンシュタインの世界」でそれ以外の役者の印象は薄い。むしろ、「Mの世界の」の真美役の村津すみれ、新聞記者役のなかがわあつこ、研究医小野方役の是也流水の熱演が光っていた。
    演出的にもう少し整理出来るのではないかと思える箇所があったが、大道具の使い方は正解だったろう。

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    2017/05/05 19:14

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