満足度★★★
鑑賞日2017/04/27 (木) 14:00
『あきこのアナの中』というなかなか刺激的なタイトルの劇団錦魚鉢の公演チケットがコリッチのプレゼント応募で当たったので27日午後に観に出かけた。場所は、中野のシアターMOMOであった。
公演パンフレットによると、この作品は再演らしい。
結婚詐欺にあったあきこがそのショックで壊れているとき、その体内でなんとか正常の健康に戻ろうと奮戦している細菌や身体の器官を擬人化したドラマ。ん~、これに似た発想の舞台(それは、細菌などではなく、体内に取り込まれた栄養素を擬人化したもの)を以前観たことがあるが、体内を舞台にしたいという発想は脚本家にとって少なからず興味あるもののようである。
結局は悪玉細菌は破れ、善玉細菌が勝利して各器官もも正常に戻るというわけだが、これを2時間にわたって観させられると、よほどしっかりしたテーマがあるとか、笑えるとか、泣けるとか、格闘シーンがあるとかがないと実際観ている者は辛くなる。今回の舞台は、その辛さと面白さの狭間を行ったり来たりしていた。
登場する人物達の個性がイマイチ分かりにくかったり脳の各器官の擬人化が雑だったりしたのが原因かもしれない。
そんな中で熱演していたのがリン役の佐々木里奈だろう。終わってみれば、一番印象に残っていた。
役者的には問題はあるまい。脚本に決定的なシーンが欠如していたことが、この舞台の核不足感を大きくしていたように思う。