独立愚連飯店 公演情報 トツゲキ倶楽部「独立愚連飯店」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「観てきた!」を書いているのが「昭和の日」。昭和の時代には色々な出来事があったが、やはり戦争の記憶ではなかろうか。自分も直接の体験者ではないが、色々な人から戦地や銃後の事を聞いている。今を生きている”生”とは地続きある。

    本公演は紛れもなく反戦がテーマ。今、朝鮮半島で きな臭さ を増す中で、時事に合った、そして人間賛歌を謳い上げた秀作。
    映画好きであれば、タイトル「独立愚連飯店」から「独立愚連隊」その続編「独立愚連隊西へ」を連想するのは容易い。当日パンフで、脚本・飛葉喜文 氏のつぶやきにも敬愛する岡本喜八監督に捧げます、とある。その映画の主人公・視点のようなものを、本公演では別の視点で担わせているところも面白い。
    また「JSA」という韓国映画も連想させ、戦場においても”人間”という個人の思いが優先するような…。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    戦時中のある食堂が舞台。政治・軍事的における地政学という領土について、直裁的な表記を避け、東・西・南・北という記号のような呼び方。テーマからすれば戦闘・紛争地域を直接的に連想させることなく、普遍的なものとして観客に考えてもらう、という感じである。

    ことさら戦闘シーンを強調しなくても、人間にとって最悪の不条理が観て取れる。その舞台セットは丸テーブルが3つとその周りに椅子があるのみ。冒頭は下手側にある丸テーブルで男たちがポーカーに興じているシーンから始まる。
    その食堂に敵(東)国の兵士2人が入ってくる。脱走兵かスパイか、その目的を巡って疑心暗鬼の喧々諤々が起こる。東国ではポーカーもない管理社会として描かれ、管理社会に対する独立自由を謳歌するような対比も見せる。

    また、店がある西国が負け、占領下におけるレジスタン活動へ。その活動が今、国会で論議している共謀罪へ結びつけるところがシュール。

    役者による状況描写は巧く、ゲームに興じた笑い、戦時下の緊迫した様子など緩急ある演技と音響効果-軍靴の音が段々と大きくなる、という不安と不穏感を煽る。映画「独立愚連隊」では、主人公が従軍記者という設定であるが、この芝居ではクーちゃん(前田綾香サン)が戦場記者・カメラマンとして第三者的というか突き放した視点で見ているようだ。
    戦争が起きると多くの死者が出て、その遺体一つひとつに遺族の記憶と感情が宿り悲しみにくれる。利害などが対立する国際社会で”共存”の道を探らなければ戦争・紛争は収まらないのは自明の理であろう。

    独立愚連飯店は国家の思惑ではなく人間が集う場所。そして楽しく食する意味で独立している、本公演はその矜持を観ることになる。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/04/29 14:29

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