満足度★★★★
年月をかけ良く手入れのされた、いぶし銀のような作品でした。
予測不能のリスクを意識しながらも戦争の機に乗じて商いに奮闘する肝っ玉おっ母。
戦争を恐れ憎んでいるのか、それとも商売上歓迎しているのか、矛盾した人間臭さとパワフルさにはぐうの音も出ないが、どうにもその生き方は観ていて危なっかしい。
案の定、子供が次々と死んでいくじゃないか!
家無しの母1人子3人にとって、その当時どういう生き方が正しかったのか皆目見当もつかないが・・・。
母親の一面を見せながらも、したたかに生きていこうとする中年女の幌車を引く姿が目に焼き付いて離れない。
そして怒り、悲しみを焼き尽くしたような目力も。