満足度★★★★
泥棒対策ライト「ドラマティック横丁」@シアタートラム12/24千穐楽観劇
常々伺いたいと思っていた泥棒対策ライト。
「体が話す」という第一印象。
フィジカルな舞台は不勉強であまり沢山観ていないのだが、初見で観た今作は私に身体が語り掛けてきた。
そこには、俳優と照明と音(音楽と舞台を踏み鳴らす音や、息遣い、そして雨音など)ある種プリミティブな物が融合して、物語を語りかけてきた気がした。
日常が繰り返す。
そこには産まれるもの。育つもの。生活するもの。恋をするもの。
ある日常。赤ちゃんを見ながら洗濯物を干す。出勤前のOLさんの様子。その二つがシンクロする。
動線がぶつかりそうだが、上手く行き来をして、同じ空間に居るのに、それぞれの日常。
夕暮れの空き地。幼なじみであろう二人。ツツジの蜜を吸う。何だがほんわりする時間がドラマティック。
佐々木富貴子さんが小柄な方だったがとても、愛らしい表現で目を引いた。
旅をするように指ちゃんが続く道を歩く。
影が生まれる。
歩く。
その先には、ドラマティックな日常がある。
あなたにも、私にも。みんなに。
ダンスというものが自分が良く分かってないから、比較対象出来るほどの情報量が無いのだが、「感情を伝える」といった表現を「台詞」ではなく、「動き」で観劇者に伝わるモノが一個のダンスの面白さなのかと泥棒対策ライトを観て感じた。
それは、アマヤドリの群舞に通じるところなどもあるのかなと。
雨音の中、それぞれの日常。テンポが速くなったり、遅くなったり。星が降る様な、雪が降る様な、照明。次第に数本の電球が降りてくる。徐々にその電球をまとめる。まるで、何かの道しるべの様に集まり、強く光を放つ。私の日常もきっと、どっかにドラマが潜んでるのかな。と思う公演だった。
観ると少し元気になるような舞台だった。
少し、夕焼けが綺麗に見える舞台だった。