KeyWord 公演情報 LIBERAL「KeyWord」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    「生きる為なら奴らはなんだって売る。愛の言葉がより高く売れた、そして売った言葉は決して却ってくることはない、ここ大事」という説明から、一度発した言葉は消せない、そんな大切な思いが込められていることが分かる。
    その大切さが今ひとつ伝えきれないような…。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    魅力ある”言葉”…それを探すもしくは確認するような劇中劇仕立ての構成。最近見かける光景、会話相手が目の前にいてもスマホなどの電子機器を通した画面の中を見る。そんな高校生3人組(男2人、女1人)が物語を俯瞰しているように展開していく。公演では「言葉」はもはや「言霊」はなく、単なる伝達手段の一つに過ぎないというアイロニーを思わせる。

    舞台セットは、少し高いところに石柱イメージの神殿なのか廃墟のような造作。その壁には偏旁のどちらかのみが落書きされた中途半端な文字が見える。また所々に鍵穴のような影も見える。

    梗概…才能に恵まれない男、才能に溢れた女、その男女は兄・妹でそれぞれの国の王、女王である。この才能とは魅力的な言葉を表現できるか。その才能のあるものだけが生きていける国、どんな願いでも叶う国。一方、才能がない国は何も持たないもの達が流れ着く国(場所)。表現力…この才能があるか否かという差別・被差別という表層的な面が物語の本筋になってしまった。主張したいところは、プロローグとエピローグで高校生の思いが変化する、そんな態様が観てとれる「言葉」というkey Wordであろう。
    しかし、それを表すための劇中”物語”は、あくまで「言葉」という台詞、伝達手段に止まってしまった。主題の「言葉」に取って代わり、表面的な魅力(歌・ダンスなど)が前面に出てしまったようだ。確かに劇中に「言葉」に絡む場面はあったが、それは別の意味(言葉のキレイさ、巧みさ)として独り歩きし”言葉の力”そのものの正鵠を得ていないのが残念であった。それは言霊(ことだま)ではなく、台詞に流れた「言葉」で力=魅力がない。

    総じて若い役者が熱演。先にも記したが歌・ダンスなどパフォーマンスで楽しませようとしていることは伝わる。それに適した衣装を着るなど観(魅)せようとしている。それだけにもう少し主張なりテーマが浮かび上がってくれば…。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2017/01/25 18:39

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