虚仮威 公演情報 柿喰う客「虚仮威」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/01/07 (土)

    座席Q列9番

    価格1,000円

    2016年のクリスマス・イブ、「妻」のある身である「僕」が深夜に呼び出されて訪れた「彼女」の部屋で聞かされたのは彼女の祖父を中心とした大正時代の東北の村と「ある風習」にまつわる話……な物語。
    その異色の取り合わせ(+α)によるレトロなファンタジー感と現代パートの結末(=全体の結末でもある)の切れ味のよさが好み。

    ネタバレBOX

    民間伝承のサンタクロース譚、年代・地域と風習の取り合わせ(中屋敷さんによれば日本でクリスマスの風習が普及し始めたのは大正時代とのこと)に「青森県にあるキリストの墓」を連想。また、河童と座敷童子の登場による東西ファンタジー対決、なオモムキも妙案。

    で、事前に目にしていた「ホラー」の要素がないようだが?と思いながら観ていたら結末で納得。
    両親の不仲を気にしていたであろう子供が(実在した)サンタクロースに望んだプレゼントは……という阿刀田高の短編のような皮肉でコワいオチにニヤリ。
    このラスト、中屋敷さんによればサンタクロースを見くびっている大人たちへの子供からのカウンターパンチだそうで、意識したのは藤子不二雄(A)とのこと。これまた伺って大いに納得。

    なお、「一太郎」のジェンダー問題は唐突な気もしたが、つらつら考えてみたら大正パートの締めに向けての展開であるだけでなく、現代パートの意味深な一言の伏線でもあると気付く。
    そうしてその流れからの「彼女」の謎の一言、これで「彼女」はかつて「僕」の親友だったのではないか?などとも思った。

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    2017/01/18 11:11

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