隅田川/娘道成寺 公演情報 木ノ下歌舞伎「隅田川/娘道成寺」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ■約120分(途中休憩あり)
    今回の木ノ下歌舞伎は女性ダンサーによるソロ舞踊2本立て。
    ダンサーとして初見だったきたまりさんの『娘道成寺』はたおやかな舞が実に見事。が、表現が抽象的すぎて、作品の面白みがもうひとつ伝わってこなかった。
    『隅田川』は、ボーイッシュでハツラツとした白神さんには不似合いにも思える悲劇を、信じがたい芸域の広さを見せつけながら白神さんが巧演。吸引力抜群な“独壇場”に魅せられた。

    ネタバレBOX

    白神さんのは、主宰団体モモンガコンプレックスを彷彿させるコミカルな導入部が、以降の悲しい物語を引き立てていて感動ひとしおでした。
    子の死を知らされ悲嘆にくれる母役に快活な白神さんを配するのは配役ミスにも思えたが、これがとんだ見当違い。
    死を知る前の子探しのシーンでは、動きの軽やかさに支えられたせかせかした所作が行方不明の我が子を案じる母の焦燥をこの上ない生々しさで表現。そればかりか、ボーイッシュな風貌を生かして在りし日の我が子まで演じ、子の眠る川辺の塚に舟で至ると、大切なものを失った母の顔を浮かべながら、涙の海でもがくような粘っこい動きでもって筆舌に尽くしがたい物狂おしい感情を表現。
    子の眠る塚に折り重なり、まるで愛撫でも浴びせるように塚をめでる場面には、音が立つかと思えるくらいに激しく心を揺すられた。

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    2017/01/15 23:35

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