燦々 公演情報 てがみ座「燦々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    前作のソビエト崩壊直後のロシアから本作の江戸へ、軽々と時間と場所を飛び越える演劇の醍醐味を感じつつ、西洋の手法で描いた北斎の絵画発見というタイムリーなニュースもあり、まさに追い風な演目でした。竹と紙(不織布)を使った見立ての美術での場面転換だったり、落語の手法での所作だったりと、観客の想像力を信用したシンプルな演出は好感が持てました。最後の紙がひらひらと舞う場面は非常に美しかった。個人的には転換場面はもう少し短くても良かった気が。「描きたい」というシンプルな欲求は「覚悟」なんていう仰々しい言葉を軽々と超越しており、そういう欲求こそが才能というものなのかなと思いました。ただ、お栄の造形があまりにもあっけらかんと子供っぽくて、女故の懊悩とか北斎への劣等感とかが感じられなかったのが残念でした。 主演女優の三浦透子さんは初舞台とのこと。初々しい台詞回しは好感が持てましたが、他の俳優さんたちと力の差がありすぎて少々つらかったです。とにかく劇団として時間をかけて丁寧に作られた作品だと感じました。本日千穐楽ですが次はどんな場所に連れて行ってくれるのか非常に楽しみです。

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    2017/01/01 13:52

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