琉球の風 公演情報 劇団東演「琉球の風」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    本土と沖縄の間
    沖縄北部の高江が無法地帯と化していると耳にすれば、映画『標的の村』の家族が脳裏をかすめるが、いかにも遠い。「彼の地」の事である。芝居の舞台は東京の旅行会社の営業所、沖縄出身の女性社員の入社を契機に「沖縄」問題と直面することになるノンポリ男性社員の目線で物語はつづられている。実際に沖縄を訪問するシーンもあるが、主には東京の営業所で展開し、一つの「沖縄との出会い」のケースへと観客を招き入れる。機動隊と対峙している高江ヘリパット建設場の温度でなく、あくまで東京の温度で、本土と無関係でない沖縄の基地問題の本質へ一歩ずつ近づいて行くプロセスには好感が持て、「知ること」が人間にもたらす「変化」をさり気なく印象づけたラストに思わず熱くなった。未来をあっけらかんと明るく見る風情は、酷な現実にあっても「沖縄」にふさわしい。

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    2016/12/13 10:25

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