静電気と少女 公演情報 白米少女「静電気と少女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    寒さと温かさの共存
    主宰のやないさきさんは客演では何度か見た事があるものの、ホーム作品を観るのは初めてでした。


    公園で生活をしつつそこで売春業を営む人達の元へ、仕事で大きな失敗をして泥酔し 訳も分からずその場所へ偶然辿り着いてしまった青年との出会いから始まる・・・・・

    ネタバレBOX

    劇場に入ってまず驚いたのは所狭しと置かれたダンボールのセット。

    ダンボールとはいえ、ここ(雑遊も含め)スペース梟門でここまで作り込まれたセットは初めて見たな・・と心意気も含めて感心。

    物語が始まって路上生活者達のスペースということでダンボールの用途も納得、それが照明と合わさって温かで緩やかな世界観になっていました。


    物語は悪者もいない不器用で優しい人達の集まり。

    コミカルな展開が主軸だけれど 扱うテーマの一つが売春だから感じるフェミニズムには面白いと思いましたし 仕事だったり家庭だったりそれぞれ何かから逃げてきた人達の心の影。

    その影と光のバランスがうまい具合に描かれていて、重苦しくなり過ぎず丁度良い塩梅だったと思います。


    今まで客演で見ていたやないさんとは違い、風俗で働いているとはいえ等身大で繊細な女性の芝居に好感。

    無邪気な表情から徐々に陰りゆく芝居まで これまでのやないさんに対するイメージが変わっていきました。

    特に良かったのは藤波想平さん。おそらくこの方が本来持っている可愛らしさと芝居が相まって、純朴で少し頼りない青年役がよく似合っていました。


    最初から最後まで違和感が合ったのは握手する時の手。皆さん全員左利きなんですか?というくらい左手を差し出していましたね。見せる為の演出上そうなったのでしょうが、そこがどうも気になってしまいました。



    でも秋の肌寒くなった公園で、そっと差し出されたコーヒーに心が安心するような そんな良い意味で肩の力が抜ける作品でした。

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    2016/11/22 11:28

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