誰そ彼時 公演情報 劇団イナダ組「誰そ彼時」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ウラの裏はオモテ
    芝居見たい!ということで当日突撃で見てきました!
    会場に入るとまず目に入る散らかった部屋。
    いいですね。これだけで想像力が掻き立てられます。
    あれ?でも、なんか遠いぞ。
    その前に舞台がある。そして目につく階段。
    コンカリの箱全体を利用した複雑な舞台に、これは芝居作るの難しそうだなあ…と。
    この複雑な舞台構造をうまく利用して素敵な舞台を作っていました!

    ネタバレBOX

    早くに妻を亡くし、痴呆になった父と家を捨て、東京で女優をするねねこの物語。
    いきなり叩きつけられる重いテーマに嫌な予感が…
    その予感は的中し、ズブズブと深刻な状況に…。
    妻が死ぬ前の幸せな状況でかけられた言葉が、妻が死んだあとの深刻な状況で繰り返しかけられることでどんどんずぶずぶと追い込まれていきます。
    不幸のアリ地獄の中にどんどん引き込まれていく感じは爽快だが、心の片隅でハッピーエンドを期待する。というか、この芝居はハッピーであってほしい!
    この作家のうまいところは、深刻な状況の中に「ちゃんと」ハッピーにする余白を残しておくことなんだなあ。
    最後はほんのり心あったまる芝居に。そして繰り返される言葉。
    幸せな状況ではかれた「言葉」が不幸になって、また幸せになる。同じ言葉なのに裏返すと不幸になり、また裏返すと幸せに。同じ言葉でこれほど心に響き方が違う芝居を見たことがなかった!

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    2016/10/15 20:43

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