ティファニーで朝食と昼食を 公演情報 東京AZARASHI団「ティファニーで朝食と昼食を」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    上手い構成の泣かせるコメディ
    6日午後、新宿サンモールスタジオで上演された、東京アザラシ団第9回公演『ティファニーで朝食と昼食を』を観てきた。これは、前回公演を招待で観て大変面白くレベルも高い劇団だった印象があったので再度観てみたくなって出かけたのである。

    出演者はやや多めで135分程度の長めの舞台であったが、一口で言えば「泣かせるコメディ」として秀逸出会ったと言えるだろう。
    舞台はとある県庁。その女性職員の前田桃子(那海)が主役。県知事の公私混同の金銭感覚や愛人問題、図書館建設を巡る業者と癒着に苛立ち失脚させることを企む県政の女性ドンと知事の確執と、時空をj超えて県庁職員を巻き込み展開される桃太郎&一寸法師一族と鬼の戦い。この2つが絡み合ったコメディタッチの作品。よくこの2つの事柄を絡めることを考え出したと感心する一方で、観ていてどういうふうに2つの事柄を納めるのか関心があったのだが、鬼退治騒動はコメディ部分を盛り上げるために使った道具であり、本筋は知事が親友の死とその娘(実はそれがこの舞台の主役である県庁職員)を思って図書館建設に力を注ぐしんみりさせる話であった。上手い構成である。
    最後のしんみりとコメディ部分を盛り上げた中心にいたのは、主役の那海と県庁の男性職員を演じた樋口太樹と知事秘書役の辺見和行であり、良い意味で味わいがあったのが、神様役の狩野慎太郎と、主人公の父親役と一寸太郎役を兼ねた魚建であった。
    他にも、味のある役者が多数いて、観ていて飽きないテンションの高さを135分保ち続けたこの劇団の力と演出・脚本力は素晴らしい。
    再度書くが、泣けるコメディとしては本年観た舞台の中で最高であった。

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    2016/10/09 13:54

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