空の裏側 公演情報 Toshizoプロデュース「空の裏側」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    つきぬけた向こう側に
    東京公開の最終日(17日19時10分の回)に「空の裏側」を観ることが出来ました。
    この映画は初めてなのに、すでに観た感じがするのは舞台を観たからでしょうか。
    舞台上はほとんど何もなかったはずなのに、登場人物たちの生活する部屋の空間を始め、公園があり、模型飛行機のお店などが観た私の記憶なかにあるのですね、不思議なことです。
    作品の味から言うと、本当のことは目には見えないが、あなたの心の目で「空の裏側(つきぬけた向こう側に)」に見えてくるものを感じ取ってほしいというメッセージが伝わってきました。

    ネタバレBOX

    特に印象的なのは何といっても、二人が公園で飛行機を飛ばすシーンです。
    羽ばたく形式の模型飛行機がいきてますね。 あの飛び方を観ていると、スーッとすべるように飛ぶのと違って、何か一生懸命もがいているようなものが伝わってきます。
    地上に落ちたり、低木樹の中に突っ込んでバタバタしている姿も切なく、この青年の日頃の思いや生活を象徴的にあらわしているように見えてきました。
    空をバックに飛行機が空を飛んでいるシーンに、立ち会っている二人の目線になって見ました。 亡くなった父への想いが今こうやって形をとって飛んでいること、未完成品にアレンジを加え自分の手で完成させた飛行機が今飛んでいること、何よりも二人で一つのものを見あげている時間がながれていること。
    この青年にとって、冷ややかな空気のただよう孤独感とはちがった世界があることを実感出来た初めての体験だったような気がしました。
    音楽の挿入もそーっと遠慮深く、二人が見上げている空の裏側(突き抜けた向こう側?)に感じとれるものは何か。 希望の光?愛?・・・まあそれは置いといても、二人にとって元気が湧いてくるものには違いないですね。  ラストで青年が花屋に立ち寄って花を購入するシーン、あの花はだれに送るつもりだったか・・第一候補は女性で、母も可能性としてありか?
    私にとっては謎のまま終わりましたが、彼が「誰かのために花を買おうとしたこと」だけでもこれからの生活を暗示させてくれました。 
    映画作品は初めてみましたが、小津風の大人の映画ですね。味わいは、舞台と同じです。 
    この作品、お母さん目線、お父さん目線、弟目線それぞれの立場から膨らませると、独立した作品が何本かつくれる気がフッとしました。  

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    2016/10/03 16:02

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